テレビがやって来た
私が生まれたのは大阪市内、緑が少なくて住宅が密集した労働者の町。テレビで月光仮面が人気を博していた頃、近所の友達の家に見に行っていた。1959年の終わり頃に始まった人気西部劇に「ローハイド」があった。月光仮面が終わり、ローハイドが始まるまでに我が家にテレビが来た。ローハイドは夜の10時に始まったのだが、土曜日であったからかこの番組だけは小学生の兄弟も見る事が出来た。
当時は小学生が勝手にテレビを付ける事なんかは出来なかった。土日には外国製のアニメ番組が有り、その中でも夢中にさせたのがウォルト・ディズニーが司会をする「ディズニーランド」が有った。「未来の国」「おとぎの国」「冒険の国」「開拓の国」が有り。その日の何が来るのか分からなかったので、番組が始まってから喜んだりがっかりした事を覚えている。
ローハイドと並んで人気があったのが「ララミー牧場」。アメリカではさほど人気番組ではなかった様だが、日本での人気は絶大だった。特に番組中ジェスを演じたロバート・フラーは来日時、あまりにも熱狂的なファンが多い事に驚いたと後日談で語っていた。西部劇ブームも有ってか、他にも「ボナンザ」「ライフルマン」「拳銃無宿」「ガンスモーク」「ブロンコ」「胸に輝く銀の星」等々、数え上げれば枚挙にいとまがない。
僕が小学生の頃はアメリカのテレビドラマや映画が大好きだった。西部劇や戦争映画の勇敢で冷静な姿に憧れ、卑劣なインデアンやナチスドイツを憎んだ。当時の小学生には映像で見たままが事実で真実の様に思えた。全てが真実では無いと分かったのは高校生に成ってからだろうか。当時はSNSみたいな良くも悪しくも非常に多くの情報が得られる様な媒体は無かったが、本や雑誌ではある程度の事は知る事が出来た。
当時のマスメディアのイメージとしては、朝日、毎日がリベラルで読売、産経が保守、NHKは中道だったと思う。
申し合わせた様に全ての大手放送局が偏向報道をする様になったのは何時からだろうか?
今のマスメディアは第二次世界大戦後に戦勝国の一つであるアメリカによるプロパガンダの為に利用されて来た。日本人の多くがアメリカ人に対して悪い印象を持たないのはその成果だと言える。またアメリカに敵対する国や指導書は悪であり、脅威の対象であった。ロシア、中国、北朝鮮、イラン、シリア、リビア、その他アメリカが侵攻した国々が非民主主義国家で独裁国家。何をするか分かったもんじゃ無いと思う日本人は多いと思う。アメリカが第二次世界大戦後に、どれだけ多くの国に軍事介入し戦争を引き起こしたか分かるだろうか。しかもそれら全てが自由と民主主義を守るため、何十万人亡くなろうとも仕方がない事だ。その事に批判一つしなかった日本人がロシアのウクライナ侵攻に対して、その歴史的経緯も知らないくせに諸手を挙げて批判する。挙句の果てに、れいわ新選組を除く全ての国会議員がウクライナのゼレンスキーの演説にスタンディングオベーションで応えた。何年か前に観た「ノルマンディ上陸作戦70周年記念式典」の一場面を思い出した。その式典の中で第二次世界大戦の流れを表現するパフォーマンスが有り同時に当時の映像も流れた。終盤に差しかかった所で日本に落された原子爆弾の映像が流れた。それと同時に各国の首脳から拍手が湧き上がり、同時にオバマ当時の大統領も拍手を送っているのが映し出された。敬虔な面持ちで広島原爆記念碑に花輪を捧げたのはただのパフォーマンス?
オバマ大統領の次に映し出されたプーチン大統領は、ただ一人胸の前で十字を切り下を向いていた。人間性とはこんな時に現れるのだろう。
翻ってゼレンスキーの演説にスタンディングオーベーションで応えた国会議員はウクライナの2014年以降に政府軍及びアゾフ大隊と呼ばれるネオナチによって行われて来たジェノサイドを知っているのか?
今度の参議院選の判断材料としたい。






